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女性への「覚え書」
 新聞コラムからの転載。要所のみをかいつまんで記す。
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 英国の看護師であり近代看護教育の創始者、フローレンス・ナイチンゲール(1820〜1910)が書いた「看護覚え書」(邦訳はうぶすな書院刊を参照)は1859年に発行された。
 「他人の健康に直接の責任を負っている女性たち」に考え方のヒントを与えるために書いた、とナイチンゲールはつづっている。「これは誰もが持つべき知識であって、専門家のみが持ちうる医学的知識とは全く別のもの」
 「看護覚え書」は15の章と「看護とは何か」で始まる補章で構成されている。

 第1章は「換気と保温」。

 第2章は「住居の衛生」。その確保に必須の要素は「清浄な空気」「清浄な水」「効率の良い排水」「清潔」「日光」。

 第3章は「小管理」。自分がいようといまいと、いつでも事が運ぶような手立てを整えることを指す。

 第4章は「音」。不快をもたらす「不必要な音」や「心に何か予感を抱かせるような音」を除く。

 第5章は「変化」。「目に映るものの形の変化や鮮やかな色彩」は、回復への手段となる。

 第6章は「食事」。食べたくなるような工夫を凝らす。

 第7章は「どんな食物を与えるか」。栄養バランスや食べやすさへの配慮。

 第8章は「ベッドと寝具類」。

 第9章は「日光」。単なる明るさではなく日光そのもの。自然の力。

「最善をささげよ」

 第十章は「部屋と壁の清潔」。清潔でない部屋では、いくら換気をしても空気をきれいにすることはできない。

 第十一章は「身体の清潔」。体を洗ってもらった病人が解放感と安らぎに浸っている光景を目にするが、それは生命力を押さえ付けていた何かが取り除かれたしるしだ。

 第十二章は「余計な励ましと忠告」。患者は友人に囲まれていても、孤独を感じている。どれだけ励ましの言葉をかけられるよりも、自分の気持ちをありのままに打ち明けることができる人が一人でもいてくれたらどんなにいいかと考えるのだ。

 第十三章は「病人の観察」。何をどう観察すべきか。病状が良くなる兆候は何か。重要なことと重要でないことを見分けること。看護が十分でないと何か起こるのか。現象から看護の不十分さをどう読み取るか。
 正確な観察力があるというだけでは有能な看護師だということにはならないが、それがなければ、どれほど献身的であっても看護師の役割を果たすことはできない。

 最後の章は「看護がなすべきこと」とは「自然が患者に働きかけるのに最も良い状態に患者を置くこと」。

 (聖路加国際大学長・井部俊子)

カテゴリ:つれづれ雑記 | 07:30 | comments(0) | trackbacks(0)
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